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シドニーで味わう 北京餃子と手打ち麺の名店 そこに一切の妥協なし

 

シドニーには多くのエスニックタウンが存在していますが、特にその移民の歴史の長い中国人たちによって形成されているチャイナタウンのその存在感は別格です。ここ20年の中で華僑の中でも香港人を中心とする広東系からすっかり中国本土の華僑たちに勢力は移りましたが、そのパワーはいよいよ増すばかりです。

 

彼らは毎年というか毎月と言っていいくらいの頻度で新しい食のムーブメントを起こしているのです。新しいスタイルのお店が出来てブームになっているかと思えば、数か月後には同じようなお店が出来て半年後にはすっかりブームも下火になって知らない間に閉店。というパターンを何度も目にしてきました。

 

そんななか、20年以上も何も変わらない名店が存在するのです。

 

 

20年前と何も変わらない名店

 

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そんな名店がチャイナタウンの中心にあるMarket Cityというショッピングセンターから歩いて数分の所にある、北方拉麺館(Chinese Noodle Restaurant)なのです。驚いたことに当初から店構え、メニュー、スタイルを一切変えていないにもかかわらず常に大人気のお店なのです。狭苦しい店内はランチタイムやディナータイムには行列ができるほど混雑しますが、改築するなどの工夫は一切見られません。厨房もかなり狭く、手打ち麺を打っている横でフライパンを振るうシェフがいて、大鍋で餃子を茹でているスタッフもみな忙しく動き回っています。もうもうと立ち込める湯気と煙の中、目の前の仕事に真剣に取り組むスタッフたちの姿には感動すら覚えるほどです。

 

オーナーの願いはただ一つ「自分の信じる味をかたくなに守り続ける」という事に尽きるようです。

 

 

始まりはいつもジャージャー麺から

 

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厨房でダン ダンと大きな音を立てて麺を打っている姿を見ながらまずは、看板メニューでもあるジャージャー麺を注文します。太さにバラつきがある手打ち麺を茹でた後冷まして、その上にオリジナルの甘じょっぱい肉味噌をたっぷり乗せてありその横にはたっぷりのきゅうりの千切りが乗っています。辛味は一切なく子供でも喜んで食べられる、味噌の甘みと肉のうまみが濃厚に交じり合った夏にぴったりの一品です。

全部混ぜ合わせて食べるもよし、好みで順番に食べるもよしで自分の好みに合わせて食べると良いです。結構見た目よりもボリュームがあるのでみんなで分けて食べましょう。

 

 

手打ちの皮で作るモチモチ餃子

 

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 大ぶりの餃子は1オーダーで16個もあります。ボリューム的には日本の餃子チェーンで頼む餃子の3,4人前程度はあるので数人でシェアするのがお薦めです。人数が少ない場合は半分の8個でもオーダーが出来ます。大ぶりですが大味ではなく、厚めの皮のモチモチ感を楽しんだ後は旨味たっぷりの肉汁と餡を味わいます。好みで餡は選べますが、ポークとニラの餃子が一番人気のようです。手元にある酢と醤油やチリソースなどで好みのディップソースを調合します。調理方法も焼き餃子、蒸し餃子と今回オーダーした湯で餃子を選べます。私はこの皮のモチモチ感を一番楽しめる茹で餃子が好みです。

 

 

 

刀削麺は癖になる弾力性が魅力。

 

 

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刀削麺とは読んで字のごとく、小麦粉の塊を小刀で削り出して作る麺です。いまは多くの店で提供されている刀削麺は機械で切り出したものですが、この店はいまだに職人が小刀を使って、恐るべき早業で削り出しているのです。当然その仕上がりにはバラつきが出てきます。薄いものから厚いものまで様々ですが、それによって絶妙に食感の違いが生まれます。今回の一品はたっぷりのニンニクと野菜をあっさり醤油味で仕上げた一皿です。麺の削りの薄いものに当たれば軽い食感、厚いものに当たればかなりの弾力性を味わうことができます。

 

 

さすがに値段だけは20年前と同じとはいかないですが、相場と比べると驚くほどリーズナブルでコストパフォーマンスの良さは20年前と同じです。

 

ここまで食べるとさすがに食べ過ぎなので、帰りは少し遠回りして歩いて帰った方がよさそうです。