多民族都市のシドニーで味わう本格アジア料理
オーストラリアのシドニーは先進国の中でもシンガポールに次いで人口増加率の高い移民国家です。まさに多くの優秀な移民に支えられている国家だという事が出来ます。さまざまな国や地域から異なる文化や習慣を持ち込んだ結果、今ではシドニーに来るだけで世界中のどんな料理でも食べられる高度な食文化が形成されているのです。
美味しいアジア料理はシドニーにあり
シドニーは、数多くの移民によって成り立つ多民族国家であるオーストラリアの中でも一番大きな都市です。日々増え続ける移民に合わせて、その移民の胃袋を満たしてくれるレストランの数と種類も増え続けています。
移民の割合も、宗主国である英国と隣国のニュージーランドを除いた上位には中国、インド、フィリピン、ベトナムからとなっており如何にアジアからの移民が増えているかが分かります。それぞれの地域に移民がある程度集まって居住することによって、自然発生的にその地域が、彼らの出身国タウンとして栄えていくことが多いのです。
そしてその国の出身者たちの生活を満足させるために、雑貨や食材を扱うお店ができ、故郷の味を再現した本格的なレストランも誕生するのです。
シドニー近郊だけでも、チャイナタウン、タイタウン、ベトナムタウン、韓国タウン、イタリアタウン、インドタウンやスリランカタウン、そしてジャパンタウンとまではいきませんが比較的日本人が多く居住し、レストランも多いタウンがあります。そしてそれらは一か所だけではなく、幾つかの場所に分かれて存在しています。
南半球最大のシドニーチャイナタウン
世界中においてチャイナタウンと呼ばれる場所は、ほぼどこにでもあるようです。それだけ中国人の数が多いという事もありますが、彼らの団結力と行動力には脱帽です。シドニーにおいてもその歴史は古く、遠く開拓時代の資料の中にも数多くの中国人の姿を見ることが出来るほどです。
そしてシドニーのチャイナタウンは、オーストラリア最大すなわち南半球最大の規模を誇ります。いまでは中国文化もすっかりオーストリアに受け入れられて、旧正月のお祝いや中秋節のお祝いなども、中国人だけでなく多くの人々に受け入れられています。
そして中華料理と一言では呼べないほど、その内容については細分化されています。北京料理の麺と餃子の専門店で有れば基本的にはそれだけです。そして辛口で有名な四川料理では四川料理のみ、上海料理、広東料理も同様にそれぞれの専門料理しか提供しません。
ですが、それぞれの味やスタイルについては完全に故郷のオリジナルにも勝るとも劣らないレベルの高さです。
シドニーでタイ人の集まる街。それはタイタウン
シドニーの街中から歩いて15分ほどもすると、シドニー最大の列車のターミナル駅であるセントラル駅があります。その西側に広がるのがチャイナタウン、そしてその少し東側にこぢんまりとしたエリアがあるのですが、ここがシドニータイタウンと呼ばれるエリアです。
ここ10年ほどでタイからの移民が増えてきたおかげで、至るところでタイレストランを見かけるようになりました。値段も庶民的なところが多くまた、当たりはずれも少ないように思います。そしていつの間にか、このエリアにタイ人の営むタイレストランや、食材や雑貨を扱う店が増えていき、公私ともに認められる立派なタイタウンとなったのです。
タイ料理はどこで食べてもそれほど大きな外れに当たることはないのですが、特にこのエリアにあるレストランは、お客さんの中心がタイ人なので妥協のない本格的なタイ料理を味わうことが出来ます。
シドニーにまだまだ他にもあるアジア人タウン
シドニー市内から歩いて行けるアジア人タウンだけでも、上記のチャイナタウンとタイタウン以外にコリアンタウン、インドネシアレストランが集まった一角、マレーシア料理の美味しいレストランが数軒集まったエリアなどもあります。
そこで少し電車や車で郊外へ足を延ばすと、イタリアンタウン、ポルトガルタウン、インド人タウン、そして大規模なコリアンタウンやベトナムタウンも一つではなく数か所に見ることが出来ます。そこで電車を降りると、その付近一帯がエスニックな雰囲気に包まれています。通りを行きかう人々は、出身国の言葉を話し店では日用雑貨から食料品に至るまでほぼ全てが賄えるのです。英語を一言も話さなくても生活が成り立つほどです。
われわれ外国人がそこに紛れ込むと多少の違和感はぬぐえませんが、さすがにここはオーストラリアなので英語のメニューも用意されています。また写真が用意されていることも多いので特に問題は感じません。
初めて見る料理名や材料に戸惑いながらも、注文した料理が予想以上に美味しかった時は格別な気分です。シドニーに来たならば、ハンバーガーやフィッシュアンドチップス以外にもぜひとも美味しいアジア料理にも挑戦してみてはいかがでしょうか?