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オーストラリアの物価はなぜここまで高くなったのか?

オーストラリアの物価は高いというのはご存知でしょうか?

 

身近な例で例えると、375mlのコカ・コーラ缶はコンビニやカフェで買うと日本円換算で250円から300円程度。ショッピングセンターのフードコートで食事をすれば、最低でも1000円から1500円程度はします。

 

 昨日も日本人の経営するラーメン屋さんに食べに行ってきました。そこはシドニーから電車で30分ほど離れた大きな町の外れにありますが、美味しいせいかいつもアジア系のお客さんで賑わっています。夕方6時前でしたがすでに大行列で、名前を書いて20分ほども待ちました。

 

人気店でもあり料金設定もなかなか強気です。一番安いラーメンでも15ドル(約1200円)で、少しでもアレンジが加わると17から18ドル(約1400円程度)の値段設定です。ですが、メニューの一番上にはこんな事が書いてありました。「日曜日と、祭日には合計料金に10%の追加料金を頂きます」と。

 

理由は日曜日には約2倍、祭日には2.25倍から2.5倍の給料を払わないといけないからです。

 

なぜこんなに高いのでしょうか? そしていつからこんなに高いのでしょうか?

 

これは簡単に言えば家賃と、上にも書きましたが人件費が高いからです。すべて商品・サービスの値段に反映されているからです。

 

ちょっと話は飛びますが、かつて(と言ってもほんの20年前)オーストラリアではトヨタ、Ford、三菱、Holden(GM系)という4つのメーカーが国内で自動車の製造を行っていました。ですが、年々高騰する賃金と手厚い従業員の福利厚生を労働組合が要求し続けていた結果、次々と撤退し今では国内で製造しているメーカーは0です。オーストラリアはもはや製造業で世界と戦える力は無いと言えるでしょう。

 

以下のグラフは主要国の賃金の推移とあらわしたものです。オーストラリアは2倍になっているのに、日本は下がっています。

 

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時給ベースの報酬を1997年を100とした場合、15年後の2012年にはほぼ2倍になり更に2019年現在も毎年上がり続けています。
 

 

 次はシドニーの中古住宅価格の平均値を表したものです。

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中古住宅の値段ですが、新築は更に高くなります。これはあくまでも平均値なので、人気のある場所では、軽く10倍以上に値段が上がっているところもあります。

 

 

不動産価格が上がれば家賃が上がるのは当然の事です。

 

全ての物の価格には、人件費と家賃が含まれるのでこれほど高くなっているのです。

 

物価上昇はもちろん複合的には、資源価格の上昇や移民政策なども理由となるのですが簡単に言うと不動産価格と人件費の継続的な上昇がもたらしたと言えるでしょう。

 

 

一番の理想はオーストラリアの会社で働いて給料をもらい、日本で生活することなのかも知れませんね。