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オーストラリアのキャッシュレス社会からカードレス社会への流れ

オーストラリアはこの20年ですっかり現金社会からカード社会へ変貌を遂げています。そしてすっかり浸透したキャッシュレスの日常ですが、ここ1年ほどで更にその先のスマホで決済をするカードレス化が進んできています。

 

 

私の記憶では2000年くらいまではクレジットカードを使いたいと言うと、店のカウンター横に置いてある、インプリントと言うカードの清算機を持ち出してきたものです。カーボンコピー用紙に金額を記入してカードを重ねてスライドさせるとカード情報と手書きの金額が同時に印刷されて、お店とお客さんがそれぞれを保管するという仕組みです。時間がかかる上に面倒なうえに手書きで金額を記入するのでミスも多く、それに海外ではよく詐欺にあう被害もありました。

 

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それから程なくして新しいタイプの機器が登場しました。カードの磁気部分をスライドさせるか、スロットに差し込んでカード内容を読み取るタイプです。これによってスピードが格段に上がった上に重たいインプリントも不要になりました。このタイプのマシーンはクレジットカードだけでなくデビットカードも使えるので、銀行のATM代わりにお金を引き出すことも可能でした。サインをする必要もほとんどなく暗証番号だけで使えたので便利です。このターミナル自体は90年代から存在はしていたのですが、実際に普及してきたのはシドニーオリンピック後の2000年前後からだったはずです。

 

 

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そしてここ10年で瞬く間に普及しているのが、上部や側面にタップするだけでIC Chipの入ったカードであれば100ドルまでの購入に限り、暗証番号の入力も必要なく瞬時に決済が完了します。100ドル以上の場合は暗証番号を入力する必要がありますが、それでも決済は10秒もかかりません。そしてその派生としてカードを小型化して必要なIC Chip部分だけを取り出して、腕時計につけたり出来るものも出てきています。

 

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更にここ数年でスマホが一気に普及するのと同時に、Google PayやApplePayに代表される決済代行アプリを導入することによってカード自体を持ち歩かなくても、NFC(近距離無線通信規格)を使うことによって決済が出来るようになりました。決済と言えばすっかりこのシステムが定着しています。残念ながら、日本ではかなり普及しているQRコード決済などは全く普及しておらず導入している店もほとんどないようです。

 

 

現在ではシドニー近郊のお店は大型店舗から街の個人商店まで、殆どがカード決済を導入しているので、クレジットカードを持ち歩かなくても日常生活に全く支障が出ないほどです。

 

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NSW州政府も積極的にペーパーレス、キャッシュレス、カードレスを推進しているようで、先月からついに待望の免許証の携帯が不要になりました。州政府のアプリの中に自分の情報を入れると自動的に持っているライセンス関係全てが出てくるのです。

 

日本では会社やサービスによって規格が違ったりするので、端末によって使えるカードが違ったりと不便な面もあるように思います。免許証までスマホでオッケーと言う時代までにはまだまだ時間がかかりそうです。

 

今やオーストラリアでは財布はなくても問題ありませんが、スマホがないとかなり不便な生活を強いられることになります。保険証、年金管理、病院の履歴、税金管理、そして各種ポイントカードの管理まですべてスマホで済ませます。銀行でさえアプリがあればATMからカードなしで現金を引き出すことも出来るのです。

 

私も出かけるときはスマホ1つで財布も持ち歩きません。もし破損したり失くしたりしてしまうと大変な事になってしまう事は簡単に予想できますが、この身軽さからはなかなか戻れそうにありません。