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シドニーで(極力リスクを減らして、成功する確率を高めて)カフェを開業する方法 Part2

昨日の続きから書いて行きたいと思います。

 

昨日の最初に、サイトに出ている売り上げや利益などの数字は、いくらでも誤魔化せるので当てには出来ないと書きましたが、無視すべきではありません。その数字を検証するために、以下の誤魔化しのきかないポイントが重要になってくるのです。

 

特に注目すべき重要点は、再度繰り返しますが昨日の3点+今日説明する4点です。

 

1.ロケーション

2.家賃

3.リースの契約年数

 

 

以下のポイントも続いての重要ポイントです。

 

 

4.出店する場所

これは大きく分けて、オフィスビルの中ストリートショッピングセンターの中という感じになります。それぞれに特徴があり、自分のワークスタイル(営業日、営業時間)、またお客さんの違いなども考慮に入れる必要があります。

 

オフィスビルの中に出す場合

お客さんは基本的にビル内の会社の人や、そこに訪ねてくるお客さんがメインとなります。常連のお客さんが付きやすい反面、オーストラリアは人や会社の移動が盛んなので、急に会社ごと引っ越してしまうと一気に売り上げが落ちてしまう事もあります。

営業時間は、基本的にオフィスアワーと連動しているので会社の人が少なくなる16時ごろには閉まるところが殆どです。そして週末、休日、クリスマスなどは長い休暇を合わせて取る人が多いので、一気に売り上げが落ちてしまいます

お客さんの層は、基本的に会社員なので比較的トラブルは少ないと言えます。

また提供するメニューは、ビジネスマン向けに絞り込むことが出来るので無駄が出にくいです。また夜と週末の営業が出来ないのは勿体ないですが、その分会社向けのケータリングなどで、売り上げを伸ばせる可能性はあります。

 

平日しっかり働いて、休みはきっちりと取りたいという人に向いています。またビジネスマン・ウーマンが相手の商売なので、基本的なビジネスマナーや会話力は必要です

 

ストリートに出す場合

これは基本的に、その近隣エリア全ての人がお客さんになり得ます。営業時間はより自由に設定出来ますし、平日、週末に関係なく人がいる限り営業可能です。ですが、簡単に天気や気候の影響を受けてしまいます。雨風の強い日は売り上げにも大きく影響が出るでしょうシドニーエリアであれば、殆どどこでもカフェが密集しているので、ライバル店との厳しい競争に常にさらされる事になります。

コーヒーの味で勝負をするのか、フードで勝負をするのか、居心地の良さで勝負をするのかなど、ライバル店に差をつけられる強みを持っておく必要があります。メニューも子供連れのママから、リタイアしたお年寄りまでそれぞれに合うものを幅広く用意しておく必要があります。場所によっては観光客向けにも用意しておく必要も出てくるでしょう。

逆に、それなりの規模が見込めるのならエリアを絞り込んで更にターゲットのお客さんを絞り込むことも可能です。チャイナタウンで中国人向けの店を出しても、それなりのボリュームは見込めます。

 

チャレンジ精神旺盛で長時間労働も苦にならないガッツのある人に向いています。

 

 

ショッピングセンター内に出す場合

ショッピングセンターは基本的に来るお客さん全てとなりますが、実際には平日と休日では客層も雰囲気もガラッと変わります。平日は、子供を学校に送った母親と乳幼児、リタイアしたお年寄り、学校が終わる夕方からは学生がメインのお客さんとなります。休日は多くの家族連れがやってきます。ショッピングセンターには通常、フードコートが併設されていますので、食事をメインにするよりもコーヒーに限らず、ドリンク類とデザート類を充実される必要があります。営業時間はショッピングセンターの営業時間に合わせる必要がありますが、シドニーの場合は年間でも3日から5日程度しか閉めないので、ほぼ年中営業することになります。

ショッピングセンターとの契約はかなり細かく、土地の税金、センターで流す音楽のライセンス、トイレの水、セキュリティー、電気代なども全てテナントに払わされるので、家賃はかなり割高になります。また出すメニューや扱う商品なども契約時にきちんと明示するので、勝手にレイアウトを変えたり扱う商品を変えたりするのにも、制限があり面倒です。

またショッピングセンター側は空いているスペースに勝手に、新しいカフェを入れたりする事も容赦なくしてきますので注意が必要です。

 

ほぼ休みなく働けるバイタリティーがあるか、人をたくさん使える余裕がある人でないと結構きついと思います。

 

 

 

5.フランチャイズか個人か

フランチャイズとは簡単に言うと、ブランド名、独自のシステム、商品を使ってビジネスをする事の出来る権利と引き換えに、お店経営は本部の意向に従って行い、契約で取り決められたライセンス料、指導料、売り上げの規定の割合などを支払うというシステム。ですが、フランチャイズのシステムにも大きく幅があるのです。ただ、決められたフランチャイズのライセンス料だけを毎月支払うだけの場合もあれば、全ての商品を本部から購入したり、売り上げの何割かを支払う必要があったりと本当に様々です。

ですので、フランチャイズのカフェを購入する場合、まず先にフランチャイズ本部との契約も結ぶ必要があります。当然フランチャイズの本部も、いくらお金があっても全く経験がない人とは契約を結ぼうとはしないのです。

 

フランチャイズと言っても、数十年の実績のある所から数年程度しか実績のない新興フランチャイズまで数多くあります。上昇気流に乗っている所か、衰退期にあるところか、サポート体制、トレーニング体制はどうなっているのかなどもきっちりと吟味する必要があります

 

個人のお店を購入する場合は、基本的には売り主と買い主の間での契約となりますが、お店のあるビル、ショッピングセンター側で不適切だと判断されれば、入れない場合もあります。

 

 

 

6.実際に店舗に下見に行ってみる

ここで一番重要なのは、異なる時間帯に、また週末営業をしている店なら、平日と週末に分けて何度か行ってみるという事です。例えばオフィスビルの中にある、うちのカフェの場合、朝の9時ごろに来たなら、20人くらい並んでいて大繁盛しているように見えますが、11時過ぎに来てみると閑古鳥が鳴いている状態のこともあります。また、平日と週末で全く状況の異なる店も多いです。近隣のライバル店も同時に見て比較することによって、より現実が見えてきます。

 

 

 

7.ブローカーを通して価格交渉

いよいよ検証が終わって、そのビジネスに興味が湧いたのならブローカーを通して交渉に入ります。ですが、サイトで売りに出されている値段そのもので買う必要はありません。大阪人でなくとも必ず必ず値段交渉はするべきです。1から6までのポイントをよく吟味した上で、サイトに出ている数字と自分の出した評価とをしっかりと比較することです。最初にも書きましたが、売りに出ているという事はそれなりの理由(殆どがあまり儲からない)があるという事を思い出して下さい。自信をもって交渉すれば、成功する可能性は高くなります。

 

 

私はショッピングセンター内でビジネスの売買、オフィスビル内でのビジネスの購入(4年ほど営業中)、フランチャイズビジネスの経験があります。もしもオーストラリアでのビジネスの立ち上げや、購入の希望がある方がおられたら相談に乗る事もできますので、お尋ねください。