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コーヒーの味を決めるものは基本的にこの5つ!

皆さんのお気に入りのカフェで飲む1杯のコーヒーは、気分を幸せにしてくれるものだと思います。では他のカフェで飲むコーヒーとはどこがどう違うのでしょうか?

 

もちろんサービスや、雰囲気が味に大きな影響を与えることは間違いありませんが、純粋に味だけで見た場合、エスプレッソコーヒーの味を決めるものは、私は基本的に次の5つが重要だと考えます。

 

 

  •  豆の種類。言うまでもないことですが、豆は基本の味を左右する最も重要な要因です。豆は国、産地、栽培している高度、処理方法、そしてその豆の種類によって大きく異なります。また植物なので、その年ごとに出来の良否が異なります。ですので殆どのカフェでは味を安定させるために、またその店ごとの独自色を出すためにベースとなる豆に、特色のある別の豆をブレンドしています。

 

  • また最近のトレンドとしては、「Single Origin」としてブレンドせずにそれぞれの豆の特色を最大限に生かしたコーヒーを提供しているカフェも増えています。

 

 

  • 豆の焙煎。これは、ただの緑色の生豆をコーヒーの風味と味を引き出す最も重要な作業だと言えます。シドニーでもロースターと呼ばれる、豆の輸入から焙煎(ロースト)を行っている会社が厳しい競争の中でしのぎを削っています。また、この焙煎具合にもトレンドがあり以前は、エスプレッソには圧倒的に深入りと決まっておりどこで買っても、恋焦げ茶色か黒っぽい豆が人気でした。ですが、そこまで深煎りしてしまうと香りも焦げ臭く、苦みも強くなってしまいます。

 

  •  最近では、豆自体が良質なものが生産されているので、豆自体の性格を最大限に引き出す微妙な煎り具合が要求されるようになっています。これによって、酸味やフルーティーな香りなども引き出せるようになっています。

 

 

  • グラインド 。これは豆を挽くことですが、ここからはそれぞれのカフェ、そしてコーヒーを作る「バリスタ」の仕事になります。そんなのは、機械でするのだから誰でも出来る簡単な事だろうと思われるかもしれません。ですがその機械(グラインダー)に求められるのが、いかに安定して同量同サイズ、同時間で挽くことが出来るかです。そしてバリスタの一番の腕の見せ所は、その機械のセッティングをいかに上手くするかという事に尽きます。ここまで出来ればほぼ確実に美味しいコーヒーは飲めるでしょう。

 

  • グライドの違いでかなり味も風味も変わりますので、バリスタの朝一番の仕事は、グラインダーの調整をしながらその店の味がちゃんと出るまで、試飲をしながら確認していきます。

 

 

  • タンピング。グラインダーからフィルターにコーヒー粉を詰めた後に、タンパーを使って圧力をかけて均一に均す作業となります。これはホルダーをマシーンにセットする前の最後の作業になります。あまり圧力をかけすぎると、抽出が上手く行かず、弱すぎるとボトボト出てきてしまいます。これは粉の挽き具合と合わせて均一に上手く適度な圧力をかける必要があります。これもバリスタの腕の見せ所の一つです。

 

 

  • 抽出。そして最後はいよいよボタンを押して抽出です。抽出方法はそれこそ多種多様な形がありますが、オーストラリアではカフェで飲むコーヒーと言えば、まずエスプレッソマシンを使います。カフェで使うエスプレッソマシーンに求められる性能は何と言っても、耐久性と安定性です。うちで使っているマシーンは500杯を連続で作っても問題ないと言われる耐久性があります。お湯の温度の設定、抽出時間の設定、圧力など細かい設定がありますが、28-32秒程度で25-30mlのエスプレッソが抽出できるように、細かく設定を変えていきます。上の4つ全てが完璧であっても、最後の抽出を失敗してしまうと台無しになってしまうので、最新の注意を払う必要があります。

 

そしてようやく出来上がった、エスプレッソにお客さんの注文に合わせて手を加えてカプチーノ、ラッテ、モカなどとして提供されるのです。

 

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  ちなみにうちの店で使っている豆は、コロンビア産が60%、グアテマラ産が40%のブレンドをミディアムロースト(中煎り)したものです。

 

皆さんもお好みの一杯を見つけてみて下さい。