シドニーの山火事が猛威を振るう。シドニー市内まで16キロメートルまで迫る。
昨日の夕方に家でくつろいでいると、突然スマホに1通の緊急アラートが入りました。
Bush Fireいわゆる山火事が迫っているので、避難の準備をしておくようにという事でした。
ニューサウスウェールズ州北部やクイーンズランド州では、激しい山火事がいたるところで猛威を振るっているのは知っていましたが、まさかシドニー市内から16㎞しか離れていないこのエリアで避難準備の連絡が来るとは予想もしていなかったことです。
そしてページを開いてみると我が家から直線距離で4㎞ほどのところで制御不能レベルの火事が発生しているではありませんか。
まだまだ明るいはずの空も、炎と煙で不気味に霞んでいました。
この山火事は最近続いている、激しい気温差と強い風が原因だと言われています。昨日も昼間は37度まで上がった気温ですが、夜には15度まで下がって肌寒いほどでした。
消防士の懸命の消火活動のかいがあり、夜には無事に鎮火でき避難準備も解除となりました。
先日は日本で超大型台風による甚大な被害が出たばかりだというのに今度はオーストラリアで火事が多発しているのは、やはり異常気象の影響が大きいのでしょうか?
おまけ 👇 強風のおかげで本日は何事もなかったかのような快晴でした。
オーストラリアで飲むコーヒー。 州によってこんなに違う平均価格
オーストラリアで飲むコーヒー。前回は州ごとの人気ナンバーワンを紹介しましたが、今回は人気コーヒーの州ごとの平均価格を紹介したいと思います。(持ち帰りの場合の値段です。)
前回と同様にデータソースはSQUAR,INC.からです。
結果はやはり一番物価の高いNT(ノーザンテリトリー)が殆どの種類で圧倒的に高いようです。そして家賃も高く人件費も高いNSW(ニューサウスウェールズ州)ですが、競争が厳しいため殆どの種類で一番お手頃でした。
そのニューサウスウェールズ州のなかでも一番のお手頃価格は、ここシドニーなのです。
理由として考えられるのは、コーヒー豆の焙煎している会社はシドニーとメルボルンに多くあるので、配送コストのかかる他州は必然的に高くなるのでしょう。またシドニーやメルボルン(ビクトリア州)などと比べて圧倒的にボリュームも少ないので、単価自体を上げざるを得ないのでしょう。それに競合も少ないので売り手市場でもあるのでしょう。
うちのカフェではホットチョコレートだけ$4.00であとはすべて$3.50で提供しているので、他州から来たお客さんには、さぞかし安く感じる事でしょう。
それでもシドニーのお客さんには、高いと言われることもあるので、これからは上の表をカウンターにでも飾ったおいた方が良いのかもしれませんね。
オーストラリアでの人気コーヒーランキング! 州別データもあります。
今回はオーストラリアでの人気のコーヒーのランキングが、Squareのデーターに出ていましたので紹介します。
ではまず、各州別の一番人気の発表です。
FLAT WHITE 29%
FLAT WHITE 28%
ウェスタンオーストラリア州
FLAT WHITE 37%
CUPPCCINO 26%
キャンベラ (首都)
FLAT WHITE 39%
LATTE 42%
サウスオーストラリア
LATTE 26%
LATTE 32%
どういった理由かは良く分からないのですが、暖かい地域ではFlat Whiteが人気で、寒い地域ではLatteが人気という結果になりました。
次はオーストラリア全土で飲まれているコーヒーの人気ランキングトップ10でです!
10位 Piccolo latte 1%
10位 Tea 1%
8位 Hot Chocolate 3%
8位 Mocha 3%
6位 Chai latte/Tea 4%
6位 Espresso 4%
4位 Long Black 8%
3位 Cappuccino 19%
2位 Flat White 24%
1位 Latte 33%
皆さんのお好きなコーヒーは何位に入っていましたか?私の一番好きなLong Blackは4位でした。ちなみにうちのカフェでも一番人気はやっぱりLatteですね。
次回は州ごとの値段の違いなども見ていきたいと思います。
シドニーでカフェを選ぶ時のポイントは次の5点!
シドニーには様々な場所で、様々な形態で数多くのカフェがしのぎを削っています。
1.コーヒーの味で勝負の持ち帰り専門カフェ。
2.朝食、昼食と食事も充実させたカフェ。
3.食事は殆どなくても、スイーツを充実させたカフェ。
4.オリジナルの創作ドリンクが売りの大手チェーンカフェ。
5.ドーナツやマフィンの専門店にコーヒーを併設したカフェ。
6.マシーンをおいてセルフサービスの格安コンビ二カフェ。
どのスタイルも一長一短があり、一概にどれが一番良いのかというのは言い切れません。
朝一番のコーヒーはやっぱり本格的な美味しいコーヒーを飲みたいですし、美味しい食事の後も1杯のコーヒーが欲しくなります。歩き疲れた午後は、スイーツと一緒にコーヒーも合うものです。車の運転中に立ち寄ったコンビニで飲む1杯のコーヒーも、緊張と疲れをほぐしてくれるものです。
要するに自分の状況に応じて、飲むコーヒーの種類やスタイルを変えればよいのです。
ですが、せっかく飲むなら少しでも美味しいコーヒーを飲みたいとは思いませんか?
私が思う美味しいコーヒーを見つけるための、基本的なポイントは以下の5点です。
その1 使っているロースターで選ぶ。
ロースターとは焙煎業者の事で、豆の輸入からブレンドと焙煎を行っています。そしてそのロースターごとに豆のブレンドや焙煎具合が異なりそれぞれに、コーヒーの味と風味に特徴があります。まずその店のコーヒーのベースの味を決める重要なポイントになります。
以前はLavazza、Vittoriaなどの老舗大手メーカが殆どでしたが、近年はCampos、Toby's Estate,、Mecca、Coffee Alchemy、De Luccなど新興のロースターが勢いを伸ばしています。それぞれに明確な違いがありますので、好みのロースターを探してみるのも楽しいものです。
その2 愛想の良いバリスタのいるお店を選ぶ。
これは一番重要かもしれません。ムスッとした人の作ったコーヒーは飲む前からいかにも不味そうです。笑顔で作って笑顔で受け取って飲むコーヒーはそれだけで美味しく感じるものです。
その3 専任のバリスタのいる店を選ぶ。
やはり同じ味を安定して出せるのがバリスタです。バリスタは常にコーヒーマシンの前にいて、いつでもすぐに注文に応じて作れるようにしておくべきです。専任のバリスタがおらず、オーナーや別のアルバイトが兼任でやっているようなお店のコーヒーは安定しないでしょう。1杯だけなら美味しく作れても、常に同じ味をキープすることは難しいものです。
その4 清潔なお店を選ぶ。
これは当たり前のことですね。書くまでも無いことですが、飲食店の基本中の基本です。ただ、カフェの場合はマシーン回り、グラインダー回り、カップ置き場の周りをよく観察してください。こまめに清掃していないと、その辺りにコーヒー粉が散乱していたり、濡れていたりするので一目瞭然です。きちんと清掃の出来ないバリスタの作るコーヒーに味は期待できません。
その5 豆の管理が出来ている店を選ぶ。
グラインダーのホッパーには豆がある程度入っている状態で、グラインドすると適量分挽かれるようになっています。営業時間終了間際なら分かりますが、それ以外でスカスカなのはバリスタがちゃんと豆の管理をしていないという事になります。なのでそう言うバリスタの作るコーヒーも雑になりがちです。
なじみのカフェに通って、バリスタに名前と好みのコーヒーを覚えてもらえればもうすっかり通です。コーヒー談議に花を咲かせたりするのも楽しいものです。
オーストラリアの物価はなぜここまで高くなったのか?
オーストラリアの物価は高いというのはご存知でしょうか?
身近な例で例えると、375mlのコカ・コーラ缶はコンビニやカフェで買うと日本円換算で250円から300円程度。ショッピングセンターのフードコートで食事をすれば、最低でも1000円から1500円程度はします。
昨日も日本人の経営するラーメン屋さんに食べに行ってきました。そこはシドニーから電車で30分ほど離れた大きな町の外れにありますが、美味しいせいかいつもアジア系のお客さんで賑わっています。夕方6時前でしたがすでに大行列で、名前を書いて20分ほども待ちました。
人気店でもあり料金設定もなかなか強気です。一番安いラーメンでも15ドル(約1200円)で、少しでもアレンジが加わると17から18ドル(約1400円程度)の値段設定です。ですが、メニューの一番上にはこんな事が書いてありました。「日曜日と、祭日には合計料金に10%の追加料金を頂きます」と。
理由は日曜日には約2倍、祭日には2.25倍から2.5倍の給料を払わないといけないからです。
なぜこんなに高いのでしょうか? そしていつからこんなに高いのでしょうか?
これは簡単に言えば家賃と、上にも書きましたが人件費が高いからです。すべて商品・サービスの値段に反映されているからです。
ちょっと話は飛びますが、かつて(と言ってもほんの20年前)オーストラリアではトヨタ、Ford、三菱、Holden(GM系)という4つのメーカーが国内で自動車の製造を行っていました。ですが、年々高騰する賃金と手厚い従業員の福利厚生を労働組合が要求し続けていた結果、次々と撤退し今では国内で製造しているメーカーは0です。オーストラリアはもはや製造業で世界と戦える力は無いと言えるでしょう。
以下のグラフは主要国の賃金の推移とあらわしたものです。オーストラリアは2倍になっているのに、日本は下がっています。
時給ベースの報酬を1997年を100とした場合、15年後の2012年にはほぼ2倍になり更に2019年現在も毎年上がり続けています。
次はシドニーの中古住宅価格の平均値を表したものです。
中古住宅の値段ですが、新築は更に高くなります。これはあくまでも平均値なので、人気のある場所では、軽く10倍以上に値段が上がっているところもあります。
不動産価格が上がれば家賃が上がるのは当然の事です。
全ての物の価格には、人件費と家賃が含まれるのでこれほど高くなっているのです。
物価上昇はもちろん複合的には、資源価格の上昇や移民政策なども理由となるのですが簡単に言うと不動産価格と人件費の継続的な上昇がもたらしたと言えるでしょう。
一番の理想はオーストラリアの会社で働いて給料をもらい、日本で生活することなのかも知れませんね。
加速度的に進むオーストラリアの、日常生活におけるシステム合理化
日本の人が一般的にオーストラリアにいだくイメージは、ヒツジが多くのんびりと牧歌的といった所でしょうか?
ある一面ではその通りと言えますが、その裏でシステムの合理化や新しい技術の導入に関しては、日本よりも遥かに進んでいるのではないかと思われます。
私が考えるにその理由は、多民族国家にあると思います。日本なら何か新しいシステムを導入したりするのに、少数派や多数派の意見を取りあえずは広く集めて比較検討などの議論がなされてから、初めて導入となります。いろいろな関係団体からの反対意見などもマスコミで取り上げられたりすると、さらにそのスピードは落ちます。
比してオーストラリアは多民族国家です。思想も文化も全く異なる人々が暮らしていますので、一つ一つ意見を聞いていたら何時まで経ってもまとまらないと分かっているからです。それらを確実に有無を言わさずまとめ上げるのは、法律しかありません。特にシドニーのあるNSW州(ニューサウスウェールズ州)ではその変化のスピードは速く、異議を唱える隙も無いように感じるほどです。
例としていくつか。
1.高速道路の料金所の廃止。
以前は日本と同様に、ゲートもあり料金所で払っていましたが今ではE-tollもしくはE-tagといった装置を車につけておく必要があります。ゲートを通過するとピッと音が鳴り料金が自動的に引き落としとなります。全くスピードを落とす必要はなく、交通の妨げになる事はありません。すべてゲートの上にあるカメラで撮影しているので、もし持たずに走行してしまった場合は指定の番号に電話をしてカードで支払う必要があります。
2.バス運賃の現金廃止。
Opal(オパール)カードという公共交通機関で使えるプリペイドカードが導入されてから、現金での乗車が出来なくなったバスが増加しています。以前はドライバーに直接現金を払ったり、回数券を買ったり出来ました。
3.スーパーのレジ袋廃止とスーパーのセルフチェックアウトの増加。
これは法律での決定事項ではありませんが、大手スーパーはほぼ全て、昨年よりレジ袋の一斉廃止を行っています。導入期間は数か月ありましたが、その後は一切の妥協なく廃止となっています。もし買い物袋を忘れた人は、手で全部持つか店で売っているバッグを買うしかありません。また今や大手のスーパーでは、セルフチェックアウトのレジの割合が70%から90%にも上るところが増えています。ただバーコードのない野菜や果物は直接スクリーンから、名前を探して入力する必要があるので面倒ですし、もし野菜や果物の名前やその種類が分からなければ次に進めません。特に英語の良くわからない移民の人や若い人には一苦労するところです。
実際にはこれらすべてが上手く行っている訳ではありません。特にお年寄りにとっては、急激な変化についていくのは大変な事だと思われます。それは州政府も分かってはいるのですが、慣れというのは凄いものであえて施行することによって、今ではすっかり日常生活の常識として浸透しており、特に不平不満の声を聴くこともないようです。
逆に技術先進国である日本に旅行すると、バスに乗って小銭を両替して時間が掛かったり、カードの使えないスーパーで困ったり、高速道路で近づいてもなかなか開かないゲートにヒヤヒヤしたりと、戸惑ってしまう事も多々あります。
ビジネスとしてカフェを見ると、なかなか厳しい現実が見えてくる。
好きなことを仕事に出来るという事はとても幸せなことだと思います。
ジャズの流れる落ち着いたお店で、渋いマスターがこだわり抜いた豆を自家焙煎。奥様の作った美味しいケーキとのセットが大人気のお店。なんていうシチュエーションにある意味憧れがあります。
ではシドニーでもそういうお店はないのか?と思われるかも知れませんが、次の条件が揃わない限りなかなか実現は難しいと思います。
1.自社ビル、もしくは自社物件に出店。(家賃の心配なし)
2.家族経営(人材確保の心配なし)
3.近隣に競合店が少ない。
では、現実にはどうなのでしょうか?これは実際に統計を取ったわけではありませんが、私の実感として、95%以上は純粋に利益だけを追求したビジネスで、残り5%以下程度がオーナーの趣味と実益を兼ねたものだろうと思われます。なぜなら、次の3点がビジネスを続ける上での大きなネックとなってくるからです。
ネックその1.家主との契約条件
ほとんどの場合、契約期間は5年で終わります。そこから更に5年の延長交渉が出来る場合もありますが、契約書にない限りそれは家主(Land Load)次第となります。通常は契約更新出来たとしても、大きく賃料がアップし更に改築や改装などを要求される事が多いです。また賃料自体も、多くの場合自動的に年4-5%上がっていきます。仮に5%上がるとした場合だと.....
初年度が$10,000の場合
2年目には$10,500
3年目には$11,025
4年目には$11,576
5年目には$12,155にもなってしまいます。
ですが、この家賃上昇分を同様にコーヒーの値段や食べ物の値段に反映させる事は簡単では有りません。コーヒーの値段を、$3.5 - $3.675 - $3.858 - $4.05 - $4.25とすることはやはり現実的ではありません。
更にショッピングセンターだと、自分がその場所で店舗を続けたいと思っていてもショッピングセンター側の都合のみで、場所を半強制的に移動させられることもあります。
ネックその2.人材の確保
これは一番頭を悩ますところです。オーストラリアは人件費が高く、最低賃金でも80円計算で時給約1500円となり更にそこにプラスで会社負担で9.5%の退職年金や、年間でも4週間以上の有給休暇などが義務付けられるので、小さなカフェで人を雇うことはかなりの負担になります。カフェで言うとバリスタやシェフなどの専門職ならさらに時給も上がって最低でも2000円程度は必要です。なので、少しでも人件費を抑えるために、留学生やワーキングホリデーを雇うとしても、人の出入りも激しく、数週間から数か月でスタッフもガラッと変わってしまうのが普通です。なので常にだれか新しい人をトレーニングしていると言った感じです。
ネックその3.競合店
言うまでもなく競合店の出現は脅威です。そしてその数が多ければ多いほど熾烈な競争になるのは当然です。シドニー市内は特にカフェの数も多く、私のカフェの半径200m以内だけでも、軽く20軒以上のカフェがあります。そして新しいカフェが出来ると、行ってみたくなるのは、お客さんの当然の心情です。そこからまた戻ってきてもらえるようにするには、また新しいメニューなり、新しいシステムの導入などを常に行っていく必要があります。一度失ったお客さんを取り戻すのは大変な努力が必要ですし、新規のお客さんを取り込むのも、またコストもかかるものです。
実際には毎年上がり続けるコストに対応して、売り上げも上昇していくのなら何も問題はないのですが、上記の3つのネックがあるせいでなかなかそれも難しいところです。なので、カフェを続けていくには自分の趣味や信条はさておき、冷静に利益を追求していく必要があります。